家庭で子どもに英語に触れさせるために英語絵辞典は欠かせません!タッチペン(音が出るペン)つきの便利な英語絵辞典がいくつかありますが、私のイチオシは「音声タッチペン付き・アルクのえいご絵じてんSUPER」です。ただ「アルクのえいご絵じてん」だと難しいと感じるお子さんもいるかも。そういう場合には2019年春に登場した、タッチペンを使う英語通信教材「ポピー Kids English」もおすすめです。両方を実際に使ってみたので、動画つきで詳しくレビューしますね。
外観・音声ペンの使い方
アルクはアメリカが舞台
対象年齢:3~12歳
値段:14,960円(税込)
「音が出るペン付き・アルクのえいご絵じてんSUPER」では、12歳までに身につけたい約2200語を、63の場面に分けてイラストと共に掲載しています。
アメリカが舞台になっているので、イラストもアメリカっぽいです。例えばこんな感じ:
男の子が部屋の中で靴を履いています。
お風呂とトイレが一緒にあります。バブルバスもアメリカっぽい。
学校に持っていくカバンのイラストですが、当然ランドセルではありません。
世界地図では、日本は真ん中にありません。
このように、「音が出るペン付き・アルクのえいご絵じてんSUPER」は、絵辞典全体を通してアメリカ文化を感じさせてくれます。「家庭内留学」と言うと大げさですが、アルク絵辞典を使っている時は、ちょっぴりアメリカにいるような気分にさせてくれそうです。英語の学習は外国文化を知ることに深く関係しているので、アメリカが舞台というのは意味があります。私はこのアメリカンな感じ、好きです♪
英語の音声は、旧バージョン「アルクの2000語えいご絵じてん」では絵ではなく英語の文字にペンをあてることで流れました。これによって英単語(スペル)と発音の紐づけができる効果がありましたが、小さいお子さんには使いにくい面があったかもしれません。
新バージョン「アルクのえいご絵じてんSUPER」では、絵と文字のどちらでもタッチペンをあてると音声が流れるように改良されました。小さいお子さんにとって、ぐんと使いやすくなりました!
ポピーの場面は家庭での日常生活
対象年齢:年中児~小学3年生
値段:月々1,680円(税込)
初回のみ「ポピペン」3,300円(税込)
【レベル1~3】の3コースあり
ポピー Kids English (キッズイングリッシュ)は、2020年から小学3年で始まることになった英語学習に備えておくための教材です。レベル1~3を通して、約1400語の英語に触れることができます。
メインのテキスト(ポピペンBOOK)の他、英語絵本(おはなしBOOK)もあります。(絵本の音声は「ポピペン」(音声ペン)ではなく、付属CDまたはウェブのダウンロードによって聞きます。)
レベル1のポピペンBOOKには、ポピーのキャラクターであるテンテンと、テンテンの家族が登場します。家庭での日常生活が場面になっています。毎月送られる通信教材なので、4月号には桜が描かれるなど、季節感もある内容になります。
例えばこんな感じ(レベル1・9月号より):
アルクのえいご絵じてんSUPERと比べると、1ページ中の英単語や表現が少ないです。
またアルクのページには日本語はほとんど書かれていないのに対し、ポピー Kids Englishでは、それぞれの語句や表現に日本語が添えられています。カタカナにはひらがなもプラスされています。
アルクは「英語を英語のまま理解する」ことを目指しているのに対し、ポピーは子どもが日本語が分からなくて困らないように配慮しているというわけですね。
ポピー Kids English では、アルクのえいご絵じてんSUPERと同様に、イラストと英語のどちらにペンをあてても音声が流れます。上の場合ですと、サラダの絵でも、salad(英語) でも サラダ(日本語)でも、どれでも “salad” と流れます。この点は、幼児にとって使いやすいはずです。
日本語音声
アルクでは番号をタッチして日本語を聞く
「アルクのえいご絵じてんSUPER」ではページ中に英単語や英文に対応する日本語の意味は書かれていません(キャラクターによるメインの会話例を除く)。
日本語の意味は、ページ下にある、英語の番号と同じ番号を「音が出るペン」でタッチすることで、聞くことができます。
このように、イラストで英語の意味はたいてい分かるが、必要に応じて日本語の訳を確かめられるようにしています。日本語をページ内に掲載しないことで、「英語を英語のまま理解する力」を養っているのですね。
ポピーには日本語切り替えアイコンあり
ポピー Kids Engish (キッズイングリッシュ)では、全ての英語に日本語が併記されていることは上で述べた通りです。それに加えて、ポピーでは「ポピペン」でも、日本語を聞くことができます。ページ上部の「にほんご」をタッチしてからイラストや文字をタッチすると、日本語が流れます。
日本語が書かれているのに、さらに音声でも日本語が聞けるようにしていることで、ひらがなが読めない幼児でも一人で楽しめそうです。
ポピー Kids English は対象年齢が「年中児~小3」となっていますが、ポピーに電話で問い合わせてみたところ、プラスマイナス1~2歳のズレは差し支えないと言われました。まだ幼くてひらがなが読めないお子さんでも、問題なく使えるように配慮されているのですね。
ポピーには色々な音が入っているお楽しみあり
ポピー Kids English では、文字だけでなくイラストをタッチしても英語音声が流れると上に書きました。そのほか、色々タッチしてみると、意外なところから英語や日本語が流れます。例えば台所のページでは、水が流れる音、料理をしている音などの効果音が流れることも。
宝探しゲームをしている感覚で、子どもがポピペンで楽しめそうです。
収録語彙
アルクの狙いは堅固な英語力の土台
アルクは「12歳までに身につけたい2200語」を厳選して掲載しています。「12歳まで」というと、中学での学習に困らないようにするためかな??と思われるかもしれませんが、そういうわけではありません。中学校では習わないが、生活の中では普通に使われる語彙が収録されています。堅固な英語力の土台が作られると思います。もちろん小学校で習う英単語もカバーされているので安心です。
例えば In the Kitchen (台所で):
fan(扇風機)、cupboard(食器棚)、dishwasher(食器洗い機)、oven(オーブン)、microwave(電子レンジ)、faucet(蛇口)、sink(流し台)、stove(ガスレンジ)freezer(冷凍庫)、refrigerator(冷蔵庫)、toaster(トースター)、tablecloth(テーブルクロス)、mat(マット)、chair(椅子)、frying pan(フライパン)、pan(鍋)、pot(深鍋)、kettle(やかん)、scale(測り)、cutting board(まな板)、jar(つぼ・広口のびん)、bottle(びん)、pitcher(ピッチャー・水差し)、water(水)、tray(トレイ)、ladle(ひしゃく・お玉)、garbage(生ごみ)、basket(バスケット・かご)、cook breakfast(朝食を作る)、help his mother(お母さんを手伝う)、carry the cups(カップを運ぶ)、pour the water(水を注ぐ)、eat the food(食べ物を食べる)、feed the cat(猫に餌をやる)、Can you take out the butter?(バターを出してくれる?)、Sure!(いいよ!)
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ポピーの狙いは小学校での英語学習の備え
ポピー Kids English(キッズイングリッシュ) は小学校で習うことになる英単語を網羅し、小学校での英語学習に備えることに主眼を置いています。小学校では3~4年生で約400語、5~6年生で約600~700の英単語を学習することになっています。それに対し、ポピーではレベル1~3で約1400語に触れることができます。
1400語と聞くと「そんなに覚えられるかしら?」と感じるかもしれませんね。しかしポピーは毎月送られてくる通信教材なので、1ヵ月分のテキスト(ポピペンBOOK)を見ると、一度に習う語が多すぎる印象は受けません。毎月少しずつステップアップしていけるところがよいと思います。
上記のアルクと同様の語彙が扱われているレベル1・9月号の中のページ:
sugar(砂糖)、salt(塩)、ketchup(ケチャップ)、potato(じゃがいも)、pot(鍋)、sink(流し)、onion(玉ねぎ)、vinegar(酢)、pepper(こしょう)、meat(肉)、salad oil(サラダ油)、soy sauce(醤油)、plate(皿)、cup(カップ)、tray(お盆)、cuttng board(まな板)、carrot(人参)、tear(涙)、wash(洗う)、cut(切る)、Let me do it. (私にやらせて)、Good job.(上手ね)、Are you OK?(大丈夫?)、I’m OK.(大丈夫だよ。)、Tenten and Bell are helping their mom and dad.(テンテンとベルはお手伝いをしているよ。)
1ページに登場する語句数が少な目なので、子どもにとって取り組みやすい(全部ペンでタッチしやすい)と思います。
また、ポピー Kids English では、出てきた語彙を「反復学習」できるようになっています。
後述しますが、テキスト(ポピペンBOOK)には、「ドリルページ」と呼ばれる、ゲームなどをするお楽しみページと、切り取って毎月集めると自分だけの英語絵辞典ができる「えじてんページ」があります。その「ドリルページ」と「えじてんページ」の中に、その月に習った語彙が登場します。それによって子どもは自然と復習ができるようになっているのです。
ポピーの「えじてんページ」(レベル1・9月号より)
チャンツ
重要文法も覚えられるアルクのチャンツ
英語学習にはチャンツが効果的であると言われています。チャンツを聞いたり唱えたりすると、正しい発音やイントネーションと共に、英語の表現をインプットすることができます。
アルクの英語絵辞典には、チャンツが収録されているページもあります。アイコンを「音の出るペン」でタッチするだけなので簡単です。
例えばこんな感じ:
それぞれの英文を「音の出るペン」で聞くことももちろんできますが、こうしてチャンツで一連の文章を続けてインプットできるのは嬉しいです。
ちなみにこの動画中の文章はすべて「過去形」の英文。中学校で習う重要な不規則変化動詞の過去形(wrote, went, bought, saw, took)も登場します。過去形は中学生がつまずきやすい文法項目の1つですが、「アルクのえいご絵じてんSUPER」を使えばチャンツで慣れておくことができるので、いいですね~!
ポピーはチャンツで復習
ポピーにもチャンツや歌が収録されています。但しポピペンは使わず、付属CDか、ウェブでダウンロードして、音声を聞きます。
ポピペンは使えないので、音声を聞くときは親御さんのサポートが必要です。
アルクでは本に掲載されている英文がそのままチャンツになっていますが、ポピーの場合は違います。ポピーは、テキストで習った表現を取り入れて、別の文章(チャンツ)を作っています。つまり習った英語を別の形で聞いて、復習するという感じですね。繰り返しインプットができるように工夫されています。
お楽しみ要素
アルクは歌や会話やクイズも楽しい
「アルクのえいご絵じてんSUPER」では、上記のチャンツの他にも、ページのイラストに合った、歌や長めの会話やクイズも収録されています。
歌はオリジナル曲。実際に聞いてみましたが、ノリの良い楽しい曲ばかりです。
会話は感情がこもっていて、イラストを見ながら聞くと、ドラマの1シーンを見て(聞いて)いるようで楽しいです。ナチュラルスピードで難しく感じるかもしれませんが、良いリスニング練習になります。
クイズは言葉探し。”Find the words!” ~ (「~という言葉を探して!」)と出題されるので、その語を見つけて「音の出るペン」でタッチします。
例えばこんな感じ:
歌や会話やクイズで流れる英語は、すべて別冊のスクリプトに日本語訳と共に掲載されています。お子さんに「なんて言っているの?」と聞かれても、スクリプトを見れば分かるので、大丈夫ですよ!
ポピーは「ドリルページ」で遊ぶ
ポピー Kids English (キッズイングリッシュ)には、テキスト(ポピペンBOOK)中に、「ドリルページ」があります。ドリルページには英語はほとんど書かれていません。習った英単語や表現を使って、迷路遊びや間違い探しゲームなどをする「復習」ページです。
例えば、レベル1・9月号ではカレーを作るという設定で、wash、cut、fry、stir という4つの動詞が出てきます。それをドリルページで復習します:
また、9月号では1~5までの数字が出てきます。そのためのドリルページはこんな感じ:
9月号では “Let me do it.” (私にやらせて)という表現も出てきます。そのためのドリルページは “Let me do it.” と言っている子を探すというもの。探し物ゲーム感覚です。探している間に色々な英語や日本語が聞こえてきます。
子どもが楽しんでくれそうですね!
日本語がところどころで出てくるのが英語が専門の私からすると残念なのですが、ポピーは子どもが無理なく英語に触れられるように、あえて日本語混じりにしているそうです。英語学習へのハードルを下げて、誰でも自信を持って英語を楽しめるように工夫しているということですね。
ポピーは音声ペン対応のシール遊びもあり
ポピーの別の幼児向け&小学生向け通信教育には、子どもが喜ぶシールが使われています。
ポピーは子どもをシールで楽しませることが上手ですね。ポピー Kids English (キッズイングリッシュ)でもシールが登場します。しかも「ポピペン」に対応しているのです。
例えばレベル1・9月号では、シールを貼って、自分好みの冷蔵庫を作るというもの。
シールを貼り終わったら、ポペピンで音声を聞いて遊びます。
まとめ
英語が得意な子を育てるために英語絵辞典を使うなら、「音声タッチペン付き・アルクのえいご絵じてんSUPER」に勝るものは今のところないと、私は思います。語彙数はもちろんのこと、品詞や種類ごとのページ分け、動詞の扱い、採用している会話例など、細部にわたってきめ細かい教育的な配慮があるからです。
一方、中学校で英語教師をしていた私の経験から言わせて頂くと、小学校での英語(外国語)活動のせいか、中学校入学時点ですでに「英語は嫌い!」「英語はできない!」「英語は無理!」と苦手意識をもっている子が結構いることが心配です。
そういうタイプの子には、小学校で英語が始まる前に、家庭で「英語は楽しい!」「英語は簡単!」という体験をさせてあげたい。そのためには、遊び要素がたっぷりあり、英語学習へのハードルが低い ポピー Kids English もおすすめしたいです。
この記事が、お子さんに合った教材を選ぶための参考になれば嬉しいです。
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