小1プロブレム・中1ギャップ
「小1プロブレム」とは、入学したての児童が席に座っていられなかったり、教師の指示に従えなかったりして、授業が成立せず混乱状態に陥ることを表すようです。
また「中1ギャップ」とは、中学に入学した生徒が、学習の高度化を含め、小学校生活からの違い(ギャップ)に戸惑いショックを受け、ストレスを感じ、不登校や登校渋りを起こすことを指すようです。
いずれも学校生活にうまく適応できない現代の子供達の姿を表現した言葉ですね。
中学校で教師として働いていた時に、このような学校にうまく馴染めない子供達を度々目の当たりにしました。また不登校とまではいかなくても、授業に全く意欲のない子を多数見てきました。
意欲がないというのは、例えば:
・文字を書くことが面倒で仕方がない。
・ノートを開いたりシャーペンを持つのさえ面倒くさい。
・授業道具がカバンに入っていない。
・教科書さえどこかに失くしてしまう。
・筆箱の中に筆記用具が入っていない。
このような学習以前の問題を抱えている生徒が多数いるのが現状です。
こういう場合、たいてい中学校教員は、「小学校で学習習慣を身に付けておいて欲しかった」と感じます。しかし小学校の先生だって、小1プロブレムに代表されるような様々な問題に立ち向かって、恐らく学習習慣を身に付けさせようと奮闘されたはずです。
ではどうしたらよいでしょう?
親として何ができるでしょう?
初めが肝心
私は「初めが肝心」だと思っています。つまり小学生になる前、5歳くらいまでに、「勉強はするものだ」と思い込ませてしまうのです。
小学校入学後だと友人が増え、子供の世界が広がり、外からの悪影響も受けるようになります。「〇〇君は勉強しないのに、どうして自分だけ勉強しなきゃいけないの」と反抗心も出てきます。
外からの影響力が強まる小学校入学前に。学習習慣をつけさせてしまうのがおすすめです!
そのためにはどうしたらよいでしょう?
入学前の「お勉強タイム」がおすすめ
私がおすすめしたいのは、幼児のうちから、家庭で毎日少しの時間でよいから、子供と一緒にテーブルで「お勉強(のつもりのこと)」の時間を設けることです。
子供が集中を保てる、5~10分くらいでよいのです。鉛筆を持たせて、一緒に文字を書いたりしましょう。
「お勉強タイム」の5つのポイント
お子さんに勉強することが当たり前だと感じてもらうには、次の5つのことに注意するとよいでしょう。
声掛け
「お勉強タイム」を始めるときは、「〇〇ちゃん、今日のお勉強始めよう」などと声掛けしましょう。お子さんに、「自分は『勉強』をしているのだ」という意識が植え込まれます。
毎日続ける
毎日続けましょう。歯磨きや入浴と同じように、「勉強は毎日するのが当たり前」とお子さんに感じてもらえるようになります。
同じ時間帯、同じ場所でする
学習を習慣化させるには、いつも決まった時間帯に決まった場所でするのが効果的です。おやつを食べた後とか、夕飯後とか、親も子もゆったりできる、続けやすい時間を選びましょう。
親が見守ってあげる
「勉強をするときは大好きなお母さんが隣にいてくれる」というだけでお子さんは嬉しいものです。親御さんは先生役として、見守ってあげてください。お勉強タイムが、親子の楽しいコミュニケーションのひと時となるとよいですね。
たっぷり褒める
「今日も頑張ったね~!」「上手に書けたね~!」などと毎回たっぷり褒めてあげましょう。褒められることで、子どもは自信と達成感を得ることができます。そしてそれが成功体験となり、さらに頑張ろうという気持ちにつながっていきます。「自分は勉強が得意」「勉強は楽しい」と感じてもらいましょう。
何を勉強する?
勉強内容は、その時のお子さんの必要によって変わってきます。100円ショップで売られているひらがなのワークブックなどでもいいですね。
幼児向け通信教材を使うのもおすすめです。通信教材を使うと、お子さんは自分だけの「教科書」があるような誇らしい気持ちになるかもしれません。なにより親御さんが、勉強の「ネタ」に困ることがありません♪
まとめ
小学生になってから慌てなくて済むように、親御さんの働きかけで「勉強はするのが当たり前」と思える子どもに育てましょう。先手必勝です!
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