知育の必須アイテム?「くもんカード」
私が子育て時代に使った知育教材として外せないものに、くもんのカードがあります。
くもんカードにはたくさん種類があり、どれも子供の脳に良さそうなので、どれから使い始めたら良いか迷います。ここでは我が家で実際に使用したものについて、その内容とおすすめの使い方をお話します。
なぜ「くもんカード」を使うの?
中学校で教員として働いていた頃のことです。給食の献立表を見て、生徒に「先生、デラウエアって何?」と尋ねられて驚いたことがあります。
「デラウエア」・・・大人なら知っていて当たり前のものですが、その生徒は聞いたことがなかったのです。「うちの子は知っているかしら?」と不安にもなりました。
「デラウエア」というぶどうの品種の名前を、人はいつ、どんな風にして聞いて覚えていくのだろう?・・・などと考えていくうちに、もしかしたら今の子供は、昔に比べると、生活の中で登場する色々な物の名前を覚えるチャンスが少ないかもしれない、と思うに至りました。
まず、昔の子供は今よりも人と関わるチャンスが多かったように思います。兄弟の数が多かったですし、家に祖父母がいました。近所のお兄ちゃん、お姉ちゃんも一緒に遊んでくれました。自分と関わってくれる人が回りにたくさんいれば、当然そこに豊富な言葉のやりとりがあります。生活の中で言葉のキャッチボールを色々な人とする中で、子供達は自然と語彙を増やしていったのではないでしょうか。
ところが今の子供達は、兄弟の数が少なかったり、一人っ子だったりというケースが多いです。核家族化が進み、朝起きてから夜寝るまで、お母さんと二人だけでいる、という子供も多いでしょう。例えばお母さんは家事に忙しく、子供はゲームに夢中で、意識しないと言葉のやりとりがあまりないということが起こるかもしれません。
子供は周りからの豊かな言葉の語りかけで語彙を増やしていきます。周りから教えてもらうことで知恵をつけていきます。放っておいても自然に周囲からの色々な働きかけがあった昔と違って、現代は意識して子供にアプローチしていく必要があるのではないでしょうか。
そのような子供への意識的な働きかけを手伝ってくれる優れた知育教材の1つが、くもんカードだと思います。
私が実際に使用したくもんカードの紹介&使い方
私が実際に使用したくもんカードは・・・
1.くもんの生活図鑑カード「くだものやさいカード」1集
2.くもんの生活図鑑カード「たべものカード」
3.くもんの自然図鑑カード「花と木カード」
4.くもんの自然図鑑カード「動物カード」
5.くもんの自然図鑑カード「鳥カード」
くもんの生活図鑑カード「くだものやさいカード」1集
くもん「くだものやさいカード1集」収録語彙:
いちご、かき、くり、さくらんぼ、すいか、なし、パイナップル、バナナ、ぶどう、みかん、メロン、もも、りんご、レモン、かぼちゃ、キャベツ、きゅうり、ごぼう、さつまいも、じゃがいも、だいこん、たけのこ、たまねぎ、トマト、なす、にんじん、ねぎ、ピーマン、ほうれんそう、レタス、れんこん(カード31枚)
子供に野菜や果物の名前を覚えてもらうには、本当は、子供と一緒に八百屋さんに行くのが一番だと思います。お子さんが小さいと買い物が大変なので、ネットスーパーを利用する方も多いでしょうが、あえてお子さんを買い物に連れていくのが理想的です。例えば春には春キャベツを買って触らせて、食べ物には旬があることを教え、「春キャベツはやわらかいね」と体験させたり、食べながら「春キャベツは甘いね」と教えてあげるのです。季節ごとに旬のものを一緒に買って、調理も出来ることを手伝わせて、一緒に食べて、食べ物にまつわることを教えてあげて・・・というのが理想的です。
けれどもそれを実践するのは、現実には忙しい毎日の中では難しいですよね。私にはできませんでした。
そこで活躍してくれるのがくもんの「くだものやさいカード」です。
くもんのカードは、まるで写真のように、絵がリアルなのがいいです。くもん出版公式通販サイト「くもんのこどものたから箱」には動画があり、くもんのカードをフラッシュカードのように使う例が勧められていましたが、私はフラッシュカードとしては使いませんでした。
動画はこちら↓
くだものやさいカード
私は主に「くだものやさいカード」は買い物ごっこの道具として使いました。
カードは床に並べました。子供がお客さん、私が店員になったり、役割を交代したりしました。お客さんは100円ショップで買ったおもちゃのお金を持ちました。お金を使うことで算数の勉強にもなりました。
お客さんは「○○ください」と果物や野菜の名前を言って買っていくわけです。フラッシュカードで果物や野菜の名前を親が言ったり子供に言わせたりすると勉強させている感がありますが、買い物ごっこの中でなら、自然に名前を言って遊ぶことができます。遊びの中でくもんカードを使うことをおすすめします。
「今日はサラダを作るんだけど、何をいれたらいいかしら?」などとお客さん役の私が言って店員役の子供にお勧め野菜を選ばせるのも楽しかったです。「あら、今日は○○高いのね。ちょっと安くしていただけませんか」なんて値切ってみたり・・・。アイデア次第で色々な言葉のキャッチボールを楽しむことができますよ。
くもんカード「くだものやさいカード」の裏面には、各果物や野菜についての実のつき方や産地など、大人でも知らない豆知識が記載されています。ふりがな付きなので、ひらがなが読める子なら自分で読むこともできます。カードですが、図鑑の機能も持つわけです。絵本を読む感覚で、子供と一緒に読むのもオススメです。
くもんの生活図鑑カード「たべものカード」
くもん「たべものカード」収録語彙:
おにぎり、ごはん、せきはん、すし、のりまき、カレーライス、チャーハン、パン、ハンバーガー、サンドイッチ、うどん、そば、ラーメン、スパゲッティ、やきそば、たまごやき、オムレツ、おでん、てんぷら、からあげ、えびフライ、グラタン、コロッケ、サラダ、とんかつ、ハンバーグ、めだまやき、ギョーザ、みそしる、スープ、シチュー(カード31枚)
くもん「たべものカード」はレストランごっこの道具として使いました。他のカードと同様、絵がリアルでおいしそうなのが良いです。レストランごっこでは、
お客さん役の子供に、たとえば「ごはん」とそれに合うおかずを選んでもらうと、食べ物の組み合わせについて分かっているかを知る事もできます。お客さん役の親が、例えば「さっぱりしたものを食べたいんだけど、何がおすすめですか?」などと聞いたりして、工夫次第で遊びの中で言葉のやりとりの幅がどんどん広がります。
各カードの裏面には食べ物の作り方や材料などの説明がふりがな付きで書いてあります。「○○の作り方を教えてもらえますか?」とお客さん役の親が子供に聞いて、子供に裏面を読んでもらうのもおすすめの使い方です。裏面はふりがな付きの漢字混じり文なので、遊びの中で子供に音読させることで、漢字に触れさせる良い機会にもなります。
くもんの自然図鑑カード「花と木カード」
くもん「花と木カード」収録語彙:
アサガオ、アジサイ、アブラナ、アヤメ、イチョウ、ウメ、カーネーション、カエデ、カキ、キキョウ、キク、クリ、クローバー、コスモス、サクラ、サザンカ、スイセン、スミレ、ダリア、タンポポ、チューリップ、ツバキ、バラ、ヒマワリ、フクジュソウ、ヘチマ、マツ、モモ、ヤマブキ、ユリ、レンゲソウ(カード31枚)
私の実家はすごい田舎で、どこのお宅にもたいてい広い庭があり、たくさん花が咲いていました。私の母も花の世話が好きで、季節ごとに花壇に咲く色々な花を見て育ちました。母に「○○を摘んできて」と頼まれて、花を摘んで家の中に飾るのを手伝うこともよくありました。
そのように私自身は花に馴染んで育ったのに、自分が親になった時に、自分の子供にはそういう機会がないということに気付きました。自然への興味を持ってほしいという気持ちもありました。そこで用意したのが、くもんの「花と木カード」です。
「花と木カード」は、まず図鑑として使いました。絵本を読むように、子供と一緒に絵を見て、裏面の解説を読みました。図鑑では写真が使われますが、くもんカードは絵です。写真より絵の方が子供は認識しやすいのだそうです。写真だと情報が詳細すぎるのかもしれません。
花や木の名前は知っていても、裏面の解説には私の知らないことがたくさん書かれていました。そこで図鑑として一通り読んだら、クイズゲームを子供としました。子供にクイズの出題者になってもらい、裏面の解説を音読してもらったのです。私はカードを見ないで解説を聞くだけで、それがどの花や木についての説明かあてる解答者役を務めました。
子供は一般的にテストされるのが嫌いです。テストされるというのは、答えが分かるかどうか信頼されていない証拠だからです。花の絵を見せてその名前を言わせたり、裏面の解説を読んでそれが何の植物についてか答えさせたりするのは、試されている気がして嫌に感じるかもしれません。
でも立場が逆になれば大丈夫です。子供に先生役になってもらって、私が覚えているか試してもらうのです。私をテストする過程で、子供は自然に花や木の名前を覚えたり、解説に書いてあること理解するようになりました。子供に先生役になってもらうのが、くもんカードのおすすめの使い方です。
なお、「花と木カード」では裏面の植物の名前がひらがなとカタカナの両方で書かれています。カタカナで書かれているものを読む機会はひらがなよりもずっと少ないので、その面でも「花と木カード」の裏面を子供に読ませるのは良い使い方だと思います。
くもんの自然図鑑カード「動物カード」
くもん「動物カード」収録語彙:
イヌ、イノシシ、イルカ、ウサギ、ウシ、ウマ、オオカミ、カバ、カンガルー、キツネ、キリン、クジラ、クマ、コアラ、ゴリラ、サイ、サル、シカ、シマウマ、ゾウ、タヌキ、チンパンジー、トラ、ネコ、ネズミ、パンダ、ヒツジ、ブタ、ライオン、ラクダ、リス(カード31枚)
くもん「動物カード」は、まずは図鑑として使いました。動物の名前自体は他の絵本などでも覚えることができますが、「動物カード」の良いところは、裏面の解説がおもしろいということです。動物園に行くとそれぞれの檻の前に看板があって解説が書いてありますが、ちょうどそれを読んでいる感覚です。子供と一緒に読んで楽しめました。
次に私は、裏面にある動物の名前のひらがなとカタカナ表記に加えて、英語を自分で書き加えました。つまり裏面には「いぬ、イヌ、dog」と3通りで書いてあるわけです。実は他のくもんカードにも英語を書き加えることを考えたのですが、語彙が難しすぎたのであきらめました。動物でしたら自分にも子供にも分かりやすかったので大丈夫でした。英語を書き加えて、英語カードに変えてしまうのもおすすめの使い方です。
英語の表現で “I can eat a horse.” というのがあります。「馬一頭食べられる」つまり「(馬一頭食べられるくらい)とてもお腹がすいている」という意味です。
これを利用して子供と遊びました。我が家は英語絵本の読み聞かせなどもしておりましたので、英語を聞くことに子供は慣れていました。裏面(英語で動物の名前が書いてる面)を上にして床に並べて、私が “I’m so hungry! I can eat a (動物の名前)!”と色々な動物について次々に言います。子供はその度に「動物狩り」に行って、言われたカードをどんどん取ってくる、という遊びです。
子供はテストされることが嫌いだと上に書きました。そのため「○○はどれ?」という質問はしたくなかったのです。けれどもゲームの中でカードを選んでもらうようにすれば、子供がその言葉を理解しているか、その文字を読めるかなどを、本人の気持ちを害さずに確認することができます。何よりも、楽しく子供と時間を過ごすことができます! 遊びの中でくもんカードを使うことをおすすめします。
くもんの自然図鑑カード「鳥カード」
くもん「鳥カード」収録語彙:
インコ、ウ、ウグイス、オシドリ、オナガ、ガチョウ、カッコウ、カナリア、カモメ、カラス、カルガモ、カワセミ、キジ、キツツキ、シジュウカラ、スズメ、セキレイ、ツバメ、ツル、トビ、ニワトリ、ハクチョウ、ハト、ヒバリ、ヒヨドリ、フクロウ、ペンギン、ムクドリ、メジロ、モズ、ワシ(カード31枚)
くもん「鳥カード」を購入した理由は、単に私が鳥の名前が全く分からなかったからです。都心でも野鳥を見かけることがありますが、どれが何だかさっぱり分からず、子供と一緒に鳥を見かけても説明することができなかったからです。
くもん「鳥カード」を買ってからは、子供と出かけていて名前のわからない鳥を見かけたら、家に帰ってくもん「鳥カード」を取り出して、子供と確認作業をしました。鳥をみたらすぐに調べられるように、最初からカードをカバンに入れて出かけることもありました。カードと見比べて、「これかな?似てるよね?これだよね?」と子供と協議をしました。
正しい答えを得られたかどうかは分かりません。肝心なのは、くもん「鳥カード」を利用することで、子供が鳥や自然に興味を持つようになってくれたことです。また、カードを見ながら子供と相談することは、子供と言葉のやり取りを楽しむことにもつながりました。
くもんカードは、他にもおすすめしたい、いろいろな種類があります。アイデア次第で様々な使い方ができそうです。お子さんの語彙や知識を増やすツールとして、お子さんとの会話を楽しむツールとして、うまく活用してください!